はじめに
先日、知人のiPodとiTunesの中身を見せてもらったのですが、あることにびっくりしました。その人は、プレイリストを1つも作っていなかったのです。彼女は音楽を聴く時、ほとんどアルバム毎に再生するのだそうです。
iTunesやiPodにはシャッフル再生という便利なものがありますが、彼女曰く「カラオケバージョンやジングルも再生されるのが嫌だ」と言いました。
たしかにそのように再生されてしまう場合もありますが、ちょっとした工夫で回避することは可能です。
このライフレシピでは、iTunes/iPodのシャッフル再生をより良くするためのポイントを紹介したいと思います。
iTunes、2つ醍醐味
シャッフル再生
iTunesに限らず、パソコンで音楽を管理するアプリケーションには、シャッフル再生が付いています。CDやMDなどでは、そのアルバムやディスク内の曲をランダムに再生することはできましたが、パソコンに曲を取り込むことによって、アルバムの垣根が取り払われ、まるでラジオ放送のように、様々なアーティストやジャンルの音楽がランダムに再生されます。
手持ちの曲(または設定した特定の曲たち)が1周するまでは、同じ曲が重複して再生されることはありません。
iTunesバージョン4.5からは、パーティシャッフルという機能が実装されました。これはライブラリの中からシャッフル再生する際、任意の数曲先と数曲前にかかる曲を表示し、この先再生される曲に関してはユーザーの任意で再生順を変更したり、新たな曲を挿入することができます。
これは職場やパーティなど、複数の人たちがマシンにアクセスできる環境で、BGMの選曲をより楽しくできるように考えられたシステムと言えます。
iTunes バージョン8.0からは、iPhone/iPod touchの専用アプリ「Remote」から、ダイレクトに曲をリクエストすることができるようになり、名称もパーティーシャッフルから、iTunes DJと変更されました。
スマートプレイリスト
iTunesは、バージョン3.0からスマートプレイリストという機能が実装されました。通常のプレイリストは、1曲1曲任意の曲をユーザーが自由に並べることができますが、スマートプレイリストは、ライブラリのデータベースから、任意の情報を軸に曲を抽出する機能です。
デフォルトでも「最近再生した項目」や「最近追加した項目」というのがあり、何となくその機能を理解している人が多いと思います。これを応用すれば、1人のアーティストのすべてのアルバムを再生したり、ジャンルが「Jazz」の曲をすべて再生するといったことも可能です。
ですが、スマートプレイリストにはまだ隠された実力があるのです。
iTunes DJ(パーティーシャッフル)で再生したくない曲を再生しない方法
最初に述べた知人のことに戻ります。たしかに彼女の言う通り、シャッフル再生でカラオケやジングルが流れるたびスキップしていては面倒ですし、パーティー会場でiTunesDJを流す場合、下手をすれば興ざめになってしまうかもしれません。
これを回避するには、ずばり「iTunes2つの醍醐味」を組み合わせます。
iTunes DJ + スマートプレイリスト
iTunes DJは、デフォルトではミュージックライブラリ全体を選曲の対象としていますが、画面左下の「ソース」を設定してやることにより、選曲の対象を狭める事が可能です。

つまり、このソースに再生したい曲だけ入れてやればいいわけです。
もちろん、普通のプレイリストでは、膨大な再生したい曲を入れるには手間がかかりすぎます。先ほども述べた通り、スマートプレイリストは特定の条件に一致する曲を抽出しますが、実は、逆に特定の条件に一致しない曲を除外することも可能です。つまり、スマートプレイリストを使って再生したくない曲をはじき出してやればいいわけです。
はじき出すスマートプレイリストの作り方
はじき出し条件の作り方は様々なやり方がありますが、まずは一番お手軽な方法を紹介します。
レート★×1法
iTunesバージョン2.0から、レートという機能が実装されています。その曲のお気に入り度をユーザーが任意に設定できる機能ですね。古くからある機能なので既に活用している方も多いでしょう。すぐ思いつくレートを活用したスマートプレイリストは「★★★★★の曲」を抽出して、お気に入りトップの曲ばかり再生する、といった感じでしょうか。
レート★×1法は、これを逆手に取ります。再生したくない曲に★を設定し、スマートプレイリストの抽出条件を以下のように設定します。
- 次のルールに一致(チェックON)
- 「レートが」「★・・・・」「ではない」
- ライブアップデート(チェックON)

また、再生しない曲(★を1つだけつけるべき曲)は、手動で探し出す必要があります。とはいえ、カラオケなどはKaraokeなど曲名についていることが多いので、検索ですぐに探し出せるでしょう。
再生時間下限法
ジングルなど、短い尺の曲を除外する方法です。
- 次のルールに一致(チェックON)
- 「時間が」「0:45」「より長い」
- ライブアップデート(チェックON)

「0:45」の箇所は任意の長さを入れてください。
Podcastをかけない
意外と盲点ですが、Podcastを聴く人は、この設定をしておかないと、iTunes DJでもPodcastが再生されてしまいます。
- 次のルールに一致(チェックON)
- 「メディアの種類が」「Podcast」「ではない」
- ライブアップデート(チェックON)
スマートプレイリスト応用編
上記3つの条件を組み合わせることにより、とりあえずカラオケやジングル、Podcastを除外するは出来ました。
ところが、スマートプレイリストが使える能力はこれだけではありません。アーティスト名やジャンルで抽出できることは先ほども述べましたが、さらにはユーザーが任意に設定したキーワードで抽出することもできるのです。
ユーザーが編集可能な項目を表示させる
ライブラリの画面で「名前」や「時間」などの見出し部分で右クリックをすると、データベースのカラム名に相当する部分の一覧がポップアップメニューで表示されます。よく見かける項目もあれば、初めて見る項目もあるかもしれません。
CDをリッピングしてCDDBから曲名を自動入力したり、iTunes Storeからダウンロードしたものは、曲名やアーティスト名が既に入力されていると思いますが、これらとはまた別に、ユーザーが任意で編集可能な項目がいくつか用意されています。
それが「グループ」や「説明」といった項目です。ここでは、グループに任意の文字列を記入してみることにします。
応用編
応用編1:ボーカルの性別を区別する
例えば、
- 男性ボーカルの曲→「mv」と記入
- 女性ボーカルの曲→「fv」と記入
- インストゥルメンタル(ボーカルなし)の曲→「inst」と記入
こうすることにより、スマートプレイリストの条件分岐で、男性ボーカルの曲のみ、女性ボーカルの曲のみ、インストの曲のみ、といった抽出ができます。
応用編2:カラオケだけ再生する
J-POPのシングルカットには、ボーカルをキャンセルした、いわゆる「カラオケmix」が同梱されている場合があります。こういったカラオケ曲には、ずばり「karaoke」と記入しておきましょう。
先ほどはカラオケを除外する例でしたが、車の長旅などで、カラオケをシャッフル再生すると、みんなで盛り上がること間違いなしです!
応用編3:特定の言語の曲だけをかけたい
もし、ジャンル分けに「J-POP」というのがあれば、とりあえずは日本語の曲だけ再生するスマートプレイリストを作るのは簡単かもしれません。しかし、英語の曲だけ、フランス語の曲だけ、といった場合には、ジャンル分けでは限界があると思います。これもやはりグループに
- 英語の曲→「lang=en」
- フランス語の曲→[lang=fr]
- 日本語の曲→「lang=jp」
というように記述すると良いでしょう
応用編4:アーティストの出身国しばり
グループに、アーティストの出身国を書いてみると、、、
- 日本出身→「cntry=jp」
- アメリカ出身→「cntry=us」
- イギリス出身→「cntry=uk」
ありがちですが、UKロックバンドだけの曲を再生したい場合は、
- 次のすべてに一致(チェックON)
- 「グループが」「cntry=uk」「を含む」
- 「ジャンルが」「Rock」「である」
- ライブアップデート(チェックON)
のようなスマートプレイリストを作ればいいでしょう。
応用編5:CMソング
CMに使われていた曲は「cm」と記述しておきましょう。不特定多数の人が知っていそうな曲ばかりかけたい時など重宝すると思います。
応用編6:楽器の編成
もはや言わずもがなですが、、、
- piano_trio
- guitar_duo
- orchestra
- 3pieces_band
などなど、、、
応用編7:季節に合わせた曲をかける
例えばクリスマスソングなら「xmas」と記述します。逆にクリスマスシーズン以外のiTunes DJ再生は、
- 「グループが」「xmas」「を含まない」
としておくと、季節外れの選曲を避けてくれます。
同様に、TUBEのような夏をイメージする曲は「summer」と記述するのもいいでしょう。
具体的な記述方法
実際には
- mv/lang=jp/cntry=jp/cm/vocal_duo/winter
といったように記述します。
/や*などでキーワードごとに区切り記号を入れると分かりやすいでしょう
その他のアイデア
グループにユーザーが自由な文字列を記入することで、スマートプレイリストの条件がグッと広がりましたが、グループの他にもこんな抽出条件があると思います。
スローテンポの曲だけ抽出
ライブラリにはBPMという項目があります。BPMとは曲のテンポのことです。デフォルトでは記入されていませんが、曲のテンポが分かっている場合は、ユーザーが記入することによって補うことができます。
例えば、就寝前のまったりしたい時には、
- 「BPMが」「90」「より小さい」
これでゆったりしたテンポの曲のみ抽出できます。
- MacではiTunes-BPM Inspector
- WinではiBPMCounter
が有名です。
高音質の曲だけをかける
iTunesはCDから取り込む時、オプションで音質(ビットレート)とエンコード形式を変更することができます。
音質を高くすれば高くするほど、ハードディスクなどの保存領域をたくさん消費しますが、その分、大音量のスピーカーで鳴らす時は音質の劣化が目立たなくなります。
高音質の楽曲を持っていて、なおかつ大音量のスピーカーで鳴らすパーティーなどの場では、あえて低音質の楽曲はスキップするのもいいでしょう。
- 「ビットレートが」「320kbps」「より大きい」
もちろん「320kbps」の箇所は任意で変更してください。
でもライブラリの編集めんどくさいじゃん、、、
既にたくさんの楽曲をライブラリ化されてる人は確かに大変な作業だと思います。
でも、このルールを適用しようと思った次のアルバムのエンコードの時から、その都度やれば、アルバム1枚あたり7分もかからない手間で済みます。溜め込んでしまうと大変なので、面倒でもその都度編集するのが良いでしょう。
それでも面倒なあなたに
たしかにグループに記述をしていく作業は大変ですが、レート付けであれば、iPodでも外出時に音楽を聴きながらすることも可能です。
例えば、
- 次の「すべての」ルールに一致(チェックON)
- 「レートが」「・・・・・」「である」
- ライブアップデート(チェックON)
というプレイリストを作り「レート待ち」と名付けます。すると、レートがまだつけられていない曲がそこに並びます。外出中にiPodで「レート待ち」の曲を聴きながら、気に入らない曲に出くわしたら★1つ、それ以外の曲は★2〜5のいずれかをつければいいのです。