はじめに
遺言とは?
亡くなられた方の、死後の法的関係を決める最後の意志表示です。財産を分割する際、もっとも優先されるのが「遺言」です。
このため、家族が死亡したら、具体的な分割を考える前に、遺言書があるかないかをまず調べなければなりません。
遺言の開封は遺族や他の相続人が立ち会いで
遺言の開封は遺族や他の相続人が立ち会いで行います。
遺言に封がしてある場合は、勝手に開封してはいけません。必ず家庭裁判所に提出し、検認を受け、遺族や他の相続人が立ち会いのもとで開封されます。
これは、遺言に加筆や削除などを防ぐために複数の人のもとで行います。
検認を申し立てるのは、遺言の保管者、あるいは遺言を発見した相続人が、相続開始地の家庭裁判所に申し立てます。
遺言の効力
遺言が何通もある場合は日付の新しいものが有効
遺言が2通以上出てきた場合は、新しい日付けのものが法的に有効になります。
有効な遺言、無効な遺言は?
遺言には次の四つの種類があります。
- 自筆証書遺言書
本人の自筆で、署名、捺印、日付けが必要です。代筆やタイプは無効です。
- 公正証書遺言
公証人に遺言の内容を話し、公証人が遺言証書を作成し、捺印します。作成は公証人役場で、本人が病床のときは、公証人は病院や自宅へ出向きます。遺言の原本は、公証人役場に三十年間保管されます。
- 秘密遺言
口述筆記でもよく、日付けはなくてもいいですが、署名・捺印が必要です。
遺言書を封筒に入れ、遺言書に捺印した印で封印し、公証人に提出します。公証人は、証人二人以上が立ち会いのもとに封筒の上に日付けと本人の遺言であることを明記し、捺印します。公証人の署名・捺印がないものは無効です。
- 死亡危急遺言書
臨終のときなど非常の場合のものです。三人以上が証人として立ち会い、口述筆記します。日付けを入れて遺言者、証人全員が捺印します。日付けから二十日以内に家庭裁判所の検認を受けます。検認がないものや裁判所への提出前に開封したものは無効になります。
このように遺言の種類によって必要な事項が変わります。それらをきちんと押さえておかなければ遺言は無効になりますから注意しましょう。
遺言で認められるのは、相続・財産・身分に関すること
遺言で法的に認められるのは、
- 相続の割合の指定
- 特定の人に財産を贈ることの指定
- 相続権の廃除や取り消しを行う
- 子供を認知する
- 後見人を指定する
などの相続・財産・身分に関する事項だけです。また本人が十五歳以上であれば、その遺言は有効になります。